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長文を書くならば、TeXを使ってみましょう [ソフトウェア]

いま、Wordで書かれた技術文章をTeXで組みなおす仕事をしています。
TeXはテックまたはテフと読み、学術論文などの文章を書くために使われています。
WordとTeXの違いを述べたいと思います。

・とっつきやすさ・・・これはWordに軍配が上がります。これはWordがWYSIWYG(What you see is What you get)なので、印刷結果を見ながら文章が書けるということです。一方TeXはHTMLファイルのように文章内にコマンドを入れて文章を作成するので印刷結果を想像しにくいといえます。コンパイル(タイプセットとも言う)すれば印刷イメージが見れます。ここに一手間かかるのでちょっと面倒です。

・図や表の挿入・・・これはWordのほうが自由度が高いです。TeXの場合はコマンドで表を作るのですが、仕上がり(印刷イメージ)が想像しにくいのでとっつきにくいです。まめにコンパイルしてチェックする必要があります。

・章、節などの番号付け・・・TeXは、章や節のタイトルをコマンドで指定すれば、自動で章や節の番号付けをしてくれます。これは、長い文章で威力を発揮します。たとえば文章の完成後に、節を足したいといった場合は、その節のタイトルをコマンドで指定し、再コンパイルするだけで、TeXが自動的に番号を振りなおしてくれます。Wordではこれが手動ですので、節を足した場合はその後の節の番号をすべて手作業で変えなければなりません。

・目次の作成・・・TeXは、章や節の番号付けを自動的にしてくれます。さらにその情報をもとに目次も自動で作成してくれます。同様に索引も索引語にコマンドを埋めれば自動で作ってくれます。Wordではそうはいきません。もしも、推敲の結果文章を足し引きした場合は目次を手作業で直さなければなりません。(追記:どうやらWordでも自動目次作成はできるようです。)

・最終的にはPDFなどに・・・最近のWordではPDFの出力をサポートしているようですが、TeXならば、しおり付きのPDFを作ることが出来ます。

・導入コストは0円・・・TeXはオープンソースソフトなので無料で使えます。TeXに使う図はEPS形式などで保存しなければなりませんが、画像処理ソフトGIMPを使えばこれまたオープンソースソフトなので無料です。Microsoft OfficeはPCバンドル版でなく自分で購入するにはちょっと高いですね。

以上のことから、数十ページの短い文章を作成するならWordが良く、長い文章を作成するならTeXのほうがよいといえるでしょう。特に文章に変更が入った場合などの処理はTeXのほうが圧倒的に楽です。

ちょっと敷居が高いと感じてしまうかもしれません。でも、大学の卒業論文や修・博士論文などを執筆するにはTeXのほうが圧倒的に楽です。僕もTeXで論文を書きました。TeXじゃなかったら、目次を作るだけでかなりの時間を費やしてしまいます。

TeXについて興味を持ったならば下記のホームページや本を一読されることをお薦めします。

三重大学奥村先生のホームページ: TeX Wiki http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/
同じく奥村先生著:LaTeX2e(ラテックツーイー)美文書作成入門 株式会社技術評論社 初版1997年 現在は第5版(2010年8月)


タグ:WORD TeX
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